大判例

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仙台高等裁判所 昭和27年(う)700号 判決

するうち漸次燃焼を強めて下屋の屋根裏に延焼拡大して原判示建物を燃焼するに至らしめたとの点についてはこれを認め難いのみならず、却つて…………の各尋問調書の記載によれば、当時石カマドの裏側は荒壁が破損していたので板を張つてあつたことは認められるが、七輪の置いてあつた裏側は炊事場と茶の間の出入口に引戸があつた為、しつくいのかかつた壁になつていたことが窺われる。…………従つて前記七輪に炭火をおこし汁を作つた程度では、特段の事由のない限りその火焔火沫が石カマド裏側のはめ板にまで飛散し、同所より発火したとは到底認められない。なお被告人に石カマドの破損箇所を修理し、火災の発生を未然に防止する日常の義務があつたとしても、右石カマドの破損箇所から少くとも七、八寸離れて置いてあつた七輪で火気を取り扱う際、被告人に特段の予見すべき注意義務に欠くるところがあつたと認めらるべき資料の存せざる本件においては、被告人に同所より火災発生を未然に防止すべき注意義務があると認めることはできない。然るに原判示のような被告人の不注意により火を失し、原判示建物を燃焼したと認定した原判決には事実の誤認があり、その誤が判決に影響を及ぼすことが明らかであるから破棄を免れない。

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